野菜も含め物価が高騰していく現代、自分の食べ物は自分で作りたいと思いませんか。さつまいもは、家庭菜園で育てるのに最適な野菜の一つです。初心者でも簡単に挑戦でき、秋の収穫シーズンには甘くて美味しいさつまいもを楽しむことができます。本記事では、さつまいもの栽培ステップや必要な道具について詳しく紹介します。
さつまいもは初心者向けの作物

さつまいも(甘藷)栽培は野菜作りの初心者におすすめです。比較的手間がかからず、丈夫で育てやすいことから、家庭菜園での成功率が高いとされています。また、さつまいもは暑さに強く、猛暑続きの現代でも適応力があり、初めて野菜を育てる方でも大きな心配は不要です。

下記でごちゃごちゃ書いてますけど、サツマイモはそこまでシビアな作物ではないので、植え付け時期と場所を間違えなければ、それなりの収量は見込めると思います
さつまいも栽培に適した環境


温暖な気候
サツマイモは中央アメリカ付近が原産地と言われています。よって暑さに強く、寒さに弱い作物です。イモを作りたければ、昼間20℃以上ないと厳しい。25℃以上が適温でしょう。
15℃以下だとイモを作るとなると厳しいです。ただ生命力が強いので、霜が降りて雪が降るぐらいの寒さにならないと容易には枯れません。
多い日射量
できるだけ日の当たる場所に植えましょう。開けた場所がベストです。
日が当たりにくい場所に植える場合は、支柱やロープを使い、伸びてきたつるを縛って日の当たる場所に誘引しましょう。
一日最低でも8時間ぐらいは日当たりが欲しい。日当たりの悪い部分の葉っぱは大きくなり、深緑色になります。小さ目で薄緑色に近い葉っぱが多く茂る方が日当たりのよい証拠です。
水はけのよい酸性の痩せた土壌
さつまいもは比較的窒素分の少ない痩せた土壌を好みます。そして酸性土壌を好みます。PH4.5でも平気だというのですからすごい。まあPH5.5~6.0ぐらいが理想かもしれません。
土を作るときはアルカリの石灰は入れません。どうしても入れたければ有機石灰を少量。酸性のピートモスなどを混ぜて、酸度を調整しましょう。さつまいも用の化学肥料はあまりホームセンターでは見かけないですが。じゃがいも向けのやつでもいいでしょう。
さつまいもの主要品種


品種 | 育てやすさ | 収量 | 味 | 対病害虫 | 備考 | 個人的感想 |
紅あずま | 簡単 | 多め | ほくほく系 | 蔓割病、立枯れ病に強い、蔓ボケをおこしにくい | 保存性が良くない | 生命力が強く、蔓の伸びが早い、すぐに育つ |
紅はるか | 比較的簡単 | 並 | ねっとり系で甘い | ネコブセンチュウに強い、連作向け | 保存性に優れる | ねっとり系が好きな初心者におすすめ、近年人気 |
安納芋 | やや難しい | 少なめ | 蜜芋と呼ばれ甘い | 収量が少なく初心者にはお勧めしない | ||
シルクスイート | 普通 | 並 | 筋が少なくややほくほく系 | つる割病に弱い | やや耐寒性があり | 蔓の成長がやや遅い |
パープルスイートロード | 比較的簡単 | 並 | 内部が紫できれい、菓子作りに向く | つる割病に強い | ||
紅まさり | 比較的簡単 | 並 | ややねっとり系甘い | 基腐病に強い |
紅あずま
べにあずまは昔ながらの品種で、かつては青果用人気No.1でした。個人的には一番好きな品種です。生命力が強く、蔓の伸び方は早い。早生品種で3か月収穫できます。
多収で腹いっぱいイモを食べたい人はうってつけです。昔ながらの粉っぽい食感です。
欠点としては今時のイモにしてはさほど甘くないことです。蜜イモがもてはやされる現代には、やや物足りないひとも多いと思います。収穫直後は美味しくないので、2週間ぐらいは寝かせてから食べましょう。
あと芋の形が不ぞろいなところがあります。でも自家消費する分には問題ではありません。
紅はるか
蜜イモブームで一気に作付けが広がった人気品種です。この品種は、他のさつまいもと比べて保存性が高く、長期間にわたって美味しさを保つことができます。適切に保管すれば、冬の間中楽しむことが可能です。甘い。ネコブセンチュウにも対抗力があります。
安納芋
昔からある蜜イモマニア人気の品種、しかし大きなイモができにくく収量が少ないです。私の経験上あまり大きなイモがとれた記憶がない。他の品種よりも比較的肥料が多めの土がいいらしい。
シルクスイート
好きな人は多い近年の人気品種、個人的に羊羹を食べてるような食感。紅あずまよりは甘いが紅はるかや安納芋ほどではない。つるの伸びが遅く、あまり大きくならない。つる割れ病になりやすいので、植え付け前に消毒しましょう。
パープルスイートロード
基本的に果肉が紫色のイモは甘くありません。しかしこのパープルスイートロードは比較的甘い品種です。しかし、べにはるかや安納芋のような甘さはありません。果肉が綺麗でお菓子を自作したいのならおすすめです。耐病性もあります。
紅まさり
センチュウや基腐病にも比較的強い品種。私は植えたことはない。
黄金千貫
日本で一番栽培されている品種がこれ。しかしこの品種は澱粉や焼酎、芋けんぴへの加工用が主で、私は植えたことがないです。
サツマイモの植え付け時期


暖地なら4月でもいいと思いますが、まだ苗が売ってないと思います。5月ぐらいにホームセンターに出回り始めるので、店員に聞いておきましょう。
5月に植えつけた苗も、7月になってくると蔓が伸びてくると思うので、それを切って植えても十分イモを作ることができます。
暖地なら7月に植えても十分に収穫できるし、問題ありません。8月植えでも多少は取れるでしょう、流石におすすめはしませんが。
活着法


活着とは端的に言えば根付くことです。サツマイモを育てる上で、一番失敗しやすい作業です。
活着までの期間は、品種よって違いますが4日間~6日間ぐらいでしょうか。
秘伝の活着法
さつまいもの苗を植えても、すぐに萎びて枯れてしまうことがままあります。原因は根を張ってない状態で日光に当たると、さつまいも自身が光合成で水分を失うのを恐れて、自分から葉だけ枯らしてしまうのです。
その後茎だけになっても、茎が生きていれば活着後に葉が出てきます。ただ茎まで枯れてしまうとその苗はもうダメで、ただの損失になってしまいます。
できるだけ葉っぱを残して活着させましょう。そうした方がその後のつるの伸びが早いからです。当然収穫も早まります。
葉っぱを枯らさないで活着させる秘訣の一つは、雨の日に植えることです。今後3、4日以上雨が続く予報の日に植えるのが良い。雨が降っていれば、さつまいもは自分から葉を枯らしたりしません。ただ曇りぐらいなら葉を枯らす方向に動きます。
葉っぱを枯らさないで活着させる秘訣の二つ目は、葉っぱを日光に当てないことです。連日雨が続く日に植えられるとも限りません。その場合は葉っぱに日光を当てないように日よけを作ることです。葉っぱを新聞紙にくるむ方法もあります。私は植木鉢をさかさまにして苗に被せています。あまり特定の方法にこだわる必要はありません。もちろん活着後は日よけを外します。
当然ですが活着するまでは、丹念に毎日水をやります。



サツマイモは基本タフな作物なので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です
植え方
植え方には概ね3種類あります。垂直植え、水平植え、斜め植えです。
垂直植えは、苗は土に垂直に植える方法です。大きなイモができます。
水平植えは、苗を横に寝かせて、上に土をかぶせて植えます。生長点と葉っぱは外に出しておきましょう。イモの大きさよりも、イモの数を優先する植え方です。
斜め植えは、その中間で、土に45度ぐらいの角度で植えます。いちばん初心者におすすめの無難な植え方です。
さつまいもへの追肥
さつまいもは前述のとおり痩せた土壌を好むので、肥料は少なめで構いません。特に初心者は肥料をやりすぎな傾向にあるため、無施肥でも構わないでしょう。



追肥は硫酸カリをやりましょう
塩化カリは筋芋になるのでやめましょう
夏場は水やりが必要だ


水やりに関していえば、夏場以外は天然の降雨で十分です。ただし真夏は35C°超えの猛暑があたりまえになった現代では、土を掘っても土の内部がカラカラの状態はサツマイモに良くありません。成長が止まります。芋の出来にも悪影響を与えます。
真夏では雨が降らない場合には週に1回はまとまった量の水をやりましょう。
さつまいもは連作障害がない?
連作障害とは、同じ作物を同じ場所で連続して栽培することによって起こる土壌の劣化や病害虫の発生が増える現象を指します。
通常連作障害を避けるためには、輪作(異なる種類の作物を順番に栽培すること)を行うことが効果的です。また、土壌改良や適切な肥料の使用、休耕期間を設けるといった対策も有効です。
しかし、さつまいもは連作障害がないとされる珍しい作物です。ただ当然に収穫後の土壌は栄養が無くなってますし、土の中にセンチュウといった害虫が繁殖している可能性が高いので、それに対する対策はしておきましょう。



さつまいもの後作は玉ねぎを植える話はよく聞きます。
昨年私の後作は大根でした。
さつまいもの病害虫対策
ホオズキカメムシ


ホウズキカメムシ、さつまいもの茎に取り付いて、汁を吸います。カメムシですが、緑色のカメムシほど臭くはありません。多少はいても深刻な問題になりにくいですが、病気を媒介する恐れがあるので、見つけたら、水を張ったバケツなんかにはたき落として、溺死させましょう。
ヨトウガ


ヨトウガの幼虫、一般的に蛾の幼虫は、蝶の幼虫と異なり生命力が強い、暑さ寒さにも、アリにも強い。このイモムシは大食らいでいつの間にやら、葉っぱをぺろりと平らげてしまいます。もっぱら夜に活動して、昼間はあまり見かけません。雨の日とか偶に昼間でも見かけることがあるので、見つけ次第園芸ばさみでちょん切ってしまいましょう。
STゼンターリはイモムシに強力に効く生物農薬であり、有機農法にも使えます。しかし周辺の蝶の幼虫にも殺すので注意が必要です。
コガネムシの幼虫


カメムシやイモムシと異なり、イモ本体を食うのがコガネムシ幼虫の厄介なところです。ダイアジノンという薬剤がありますので気になるなら土に巻いておきましょう。ただ初心者はそこまで神経質にならなくても良いです。ただし長い間イモを収穫しないと、食害を受けやすいと思ってください。
基腐病、蔓割病、立枯病
さつまいもがかかる病気であり、カビの一種です。発症したら治らないので、感染が広がらないうちに、早めに抜いて処分しましょう。
予防には植え付け前の苗を、ベンレート水和剤のような殺菌剤の入った水に漬けます。
さつまいもの収穫時期
植え付けから100日から140日ぐらい見ておきましょう。ほくほく系の粉質のイモは収穫が早くできますが、ねっとり系の蜜イモは収穫まで時間がかかると思ってください。
三か月過ぎたら試し掘りして、大きなものは収穫してもよいでしょう。土は軽く落とす程度で、できるだけ皮を傷つけないようにします。
さつまいもの保存方法
意外と知られていませんが、さつまいもは他の作物と異なり、とれたてはおいしくない。最低2週間ぐらいは寝かせておくと甘さが増しておいしくなります
さつまいもは収穫したら天日に晒して表皮を乾燥させます。湿ってると長持ちしません。折れたイモは早めに消費しましょう。
さつまいもは20℃超える環境ではいずれ芽が出てきて、食味が落ちます。かといって冷蔵庫はなどの10℃を下回る温度もイモが悪くなります。15℃前後の環境で保存するのが良いのですが、かつては地下室に保存するなどしてたみたいですね。
新聞紙でイモを包み、発泡スチロールの箱に入れ、イモ本体も呼吸しているので箱に穴をあける。私はやったことないけど。



乾いていれば、むき出しでもひと月ぐらいは持ちますし、甘さも増します
まとめ
さつまいもは育てやすく初心者におすすめです。
5月になると苗が出回るのでホームセンターあたりを探しましょう。
植え付け直後、葉っぱは直射日光を防ぎましょう。
収穫は4か月前後です。
試しにやってみると意外な発見があるかも、皆さんもやってみてね💛


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