年金はこれからインフレ時代の中で実質的に目減りしていきます。その時代の中で節税をしながら、いかに年金を増やす方法があるかを書きます。
国は公的年金だけでは、老後の面倒は見ることができないと暗に言ってるのです
日本は30年以上続いたデフレ時代は終わり、インフレの時代に突入しました。もはや現金や銀行の預金では、実質的資産は減るばかり。でもどうやって貯蓄や投資、年金を増やしたらよいのかわからない。そういった人が多いでしょう。今回は年金に上乗せする老後の資産形成にはどうすればいいのか。解説します。
iDeCo、国民年金基金、小規模企業共済の違い
加入資格 | 年間掛け金限度額 | 受け取り | 税金 | 運用商品 | |
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iDeCo | 基本的に誰でも入れる(20歳~70歳) | 職種によって異なる 月5,000円~68,000円 | 原則65~75歳 | 掛金全額小規模共済掛金控除 | 選択可能(リスクあり) |
国民年金基金 | 国民年金第1号被保険者 (国民年金を払ってる人で20歳~60歳未満) | 年齢によって異なる 月10,000円~68,000円 (※iDeCoと併用時はiDeCoと合わせて月68,000円まで) | 原則65歳から | 掛金全額社会保険料控除 | 選択不可、利率約1.5% |
小規模企業共済 | 個人事業主、小規模企業経営者 | 年額最大84万円 月額1,000円~70,000円 | 退職時、廃業時 (一括・分割選択可能) | 掛金全額控除 (受取は退職金として課税) | 選択不可、利率約1.5% |
掛金控除って何?と思われるかもしれませんが、要は所得税・住民税が安くなります。裏を返すと所得税・住民税を払ってないような、低収入、無収入な人には控除のメリットはありません。
まずは皆におすすめできるNISA口座を作りましょう。
iDeCo(https://www.ideco-koushiki.jp/)とは
- (20歳~65歳)(上限は70歳まで延長予定)誰でも入れる
- 自分で追加する年金
- 投資商品を選択できるので、高い利回りが見込める
- 投資商品によっては、原本割れのリスクがある
iDeCo掛け金上限(月額) | ||
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国民年金第1号被保険者 | 自営業・フリーランス | 68,000円 |
国民年金第2号被保険者 | 企業年金なし | 23,000円 |
企業型DC(確定拠出年金)のみ加入 | 20,000円 | |
DB(確定給付年金)に加入 | 20,000円 | |
公務員 | 20,000円 | |
国民年金第3号被保険者 | 専業主婦(主夫) | 23,000円 |
iDeCo口座は楽天証券かSBI証券がおすすめです。
国民年金基金(https://npfa.or.jp/)とは
- 加入条件、自営業やフリーランスといった第1号被保険者(20歳~60未満が入れます)
国民年金基金は正確には公的年金ではないが、社会保険料控除が全額受けられるので、民間の個人年金とも違います。準公的年金?と言えばいいのか。
終身年金を増やせるのはこれだけです(民間の個人年金は除く)
特徴・メリット
- 最初の1口目は終身年金である(長生き予定の人にはおすすめ)
- 2口目以降は受給期間が決まってる確定年金も選択できるが、それだったらiDeCoの方がよい。
- 保証期間がついてるものは、本人が死んでももらえる。
- 全額社会保険料控除となる(課税所得が減る→つまり税金が減る)
年金は長生きしたものが勝ちです
デメリット
- 脱退が基本無理
- 予定利率の低さ(1.5%、今後上がるかも)
- 金額が決まっている(物価スライドがない)
- 破綻の可能性がある(加入者は減少傾向)
終身年金を増やせるのがメリット
国民年金だけでは心もとないし
小規模企業共済(https://kyosai-web.smrj.go.jp/skyosai/index.html)とは
- 加入要件、自営業やフリーランスといった第1号被保険者(年齢条件なし)
- 第2号被保険者でも、小規模の会社役員なら加入できる
- 自営業・フリーランスにとっての退職金を作る役割
- 掛け金の上限は月額70,000円
- 予定利率は年金基金同様低い(1.5%、今後上がるかも)
- iDeCoと併用可能である
- 掛け金を原資に貸付も受けられる
- 一括でも分割でも受け取れる
- 掛け金は全額控除
併用はどうするの
- 第1号被保険者(自営業・フリーランス・無職)=iDeCo、国民年金基金、小規模企業共済の併用可能ですが、iDeCoと国民年金基金は合計で68,000までの月額掛け金上限です。つまり共済と合わせて月額138,000円までかけられる。
- 第2号被保険者(厚生年金加入者)=iDeCo、小規模企業共済(※小規模会社役員)
- 第3号被保険者(専業主婦)=iDeCoのみ
年金の仕組みは複雑です
「消えた年金問題」でいろいろ言われて
多少はわかりやすくはなりましたけど
結論、無理のない範囲で
新NISAが投資枠を拡大したために、こういった私的年金に魅力が薄れたのは事実です。
収入がいくらでもある人は、入れるものに全部入って節税して、資産形成すればよい。しかし収入が少なくて生活が苦しい人は、無理に入る必要はないです。
年金の受給額が増えると、税金と社会保険料が上がり、意外と手取りが増えない問題が発生するからです。あと所得が増えると、医療費の負担割合が2割に上がることあるので気を付けましょう。住民税非課税世帯でいるメリットも考えると、中途半端に年金を増やすのも考え物です。
税金関係は本当に複雑です
資産・収入の少ない人はNISA一本が無難です。第1号被保険者の方なら付加年金のみなら負担も少ない。
第2号被保険者の方ならiDeCoを無理のない範囲で検討してみてはいかがでしょう。
安定した高い収入がある人は、老後まで一定の資金拘束をされても、痛くないですね
そういう場合は節税のためにバリバリ私的年金かけた方が、老後は幸せでしょう
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