お金の知識と言われても、多くの人は良くわかっていません。年金も、保険も、株も、税金も、相続もわからないことばかりです。そしてそこに付け込んでくる企業も個人も後を絶ちません。国も無知な人への扱いは冷たいものです。
そこでお金の常識の入門としてFP3級に挑戦して知識を身につけましょう。
3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)は、年間受験者が20万人を超える人気国家資格です。しかも、3級は誰でも受験できて、難しくありません。
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)の資格とは
ファイナンシャル・プランナーとは
そもそもファイナンシャル・プランナーとはどんな仕事でしょうか。その資格としてのファイナンシャルプランニング技能士と、どのような関係なのでしょうか。日本FP協会のwebサイトから引用します。
ファイナンシャル・プランナー(FP)とは
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/
注意しておきたいのはファイナンシャルプランナーになるためにFP資格は必要ありません。FP資格に特別な権限はありません。税理士、司法書士などと違いFP資格は業務独占資格ではないのです。
ここでファイナンシャルプランニング技能士の資格をお勧めするのは、あくまで自分の家計管理の知識を得るためです。ファイナンシャルプランナーの仕事をしようという趣旨ではありません。
この資格はあくまで権威付けであって、FP資格を取得しても、なにか特定の権限は得られません
ここでのFP資格取得の目的はその資産管理の知識を得ることです
つまり職業名称はファイナンシャル・プランナー、資格名称はファイナンシャル・プランニング技能士ということか?
その通り、そして職業と資格が権限としてリンクしてない。
あくまで仕事をする上では、FP資格があるとかっこいいでしょ、偉く見えるでしょっていうだけなんだよ。
それでも今回は知識習得のためにFP3級の取得をお勧めします
FP協会ときんざいとの違い
FP試験を実施する団体が、「日本FP協会」と「きんざい(金融財政事情研究会)」の二つがあります。
なんで二つあるのか?
もともとFPは民間資格で、その2団体が実施者だったけど、FPの国家資格化にするにあたって、国が実施者の統一をしなかったらしいです
FP協会ときんざいでは、試験内容に若干の違いがありますが、大きな違いではありません。どちらに申し込んでも合格して得られる資格の効力は同じです。
迷ったら日本FP協会の方でよいと思う
FP2級・3級の受験資格
FP3級は誰でも受験できます。
FP2級に関しては「FP 業務に関し 2 年以上の実務経験を有する者」、もしくはFP3級があれば受験できます。
FP2級・3級の試験日
FP3級は2024年4月よりCBT試験方式に移行します。決まった試験日はなく、全国指定の受験地で受験できます。
FP2級に関してはCBT試験方式移行まだ先のようです。試験は年3回(1月、5月、9月)ですので、試験日とその出願期間を確認しておきましょう。
FP2級・3級の試験内容
FP3級では、午前と午後の2回の試験があります(2級も同様です)。
午前の試験は学科試験。午後の試験は実技試験です。
実技試験って何?どんな試験?
心配しなくていいよ。
ただの筆記試験だし、文章を書くような解答もありません
学科試験はマークシート式。実技試験は筆記ですが、書くのが難しい解答はありません。
学科試験と実技試験は個別に採点され、6割の点数で合格となります。つまり学科試験と実技試験は両方とも6割以上取らないと合格とはなりません。しかし、片方が6割取れた場合は、その試験日の翌々年度末までその試験は免除できます。
試験科目 | FP2級・3級試験範囲 | 出題形式 |
学科試験 | ライフプランニングと資金計画 リスク管理 金融資産運用 タックスプランニング 不動産 相続・事業承継 | 四答択一式(マークシート) |
実技試験 (一つ選択) | 資産設計提案業務(FP協会・きんざい2級・3級) 保険顧客資産相談業務(きんざい3級) 中小事業主資産相談業務(きんざい2級) 生保顧客資産相談業務(きんざい2級) 損保顧客資産相談業務(きんざい2級) | 記述式40問(FP協会) 事例形式5題(きんざい) |
2級は法人ファイナンシャル・プランニングの内容も入ってきます。
試験範囲を大雑把に解説しますと
- 「ライフプランニングと資金計画」は、健康保険と年金
- 「リスク管理」は、生命保険と火災・傷害保険
- 「金融資産運用」は、債権、株式、投資信託といった金融商品
- 「タックスプランニング」は、所得税や法人税といった税金
- 「不動産」は、そのまま不動産関係
- 「相続・事業承継」は、相続の基礎知識や相続税
- 「資産設計提案業務」は、学科試験の範囲内からの出題です
実施団体の公式から過去問をダウンロードできますので、どんな問題かチェックしてください。
とにかく出題範囲は薄く広くです。深い知識は要りません。
FP2級・3級の受験料
FP3級の受験料は学科試験、実技試験ともに4,000円です。つまり初回は計8,000円です。
FP2級では学科試験5,700円、実技試験は6,000円となります。
FP3級取得のメリット
- 試験勉強で資産管理の初歩的な知識、つまりお金の常識が身に付きます。人生の早い段階で計画的な資産運用を身に着けることで、無駄な支出を減らし、効率的な資産運用を計ることができます。
- FP3級合格はFP2級の受験資格になります。
- FP3級でも立派な国家資格ですから、あなたのちょっとした箔になります。
FP3級試験の合格率、難易度と勉強時間
FP3級試験は簡単です。FP3級の合格率は約8割です。はっきり言って簡単すぎます。私から見れば合格率8割を超える試験なんて、試験ではありません。勉強時間は20時間から50時間程度が目安でしょうか。不安なら100時間程度を見ておきましょう。
国家資格をゲットし、成功体験を気軽に味わう意味でも、FP3級は挑戦する価値はあります。人間、自信をつけるコツは努力とその成功体験の積み重ねだからです。
私の受験勉強は過去問を多少やったぐらいです。期間は1週間ぐらいでした。それでも楽に受かりました。もともと税金の知識が多少あったことが助けになりました。
知識に自信がない人は1か月ぐらい、ゆっくり勉強してもいいでしょう。とにかく過去問勉強がおすすめです。
FP3級試験対策用のyoutube動画見るだけで受かる人もいるでしょうね
FP3級取得の次は、FP2級試験を目指すべきか?
FP3級に合格すると、FP2級の受験資格が得られます。しかし2級取得を目指すべきかどうかは微妙です。
FP3級でも名刺や履歴書に書けなくはないのですが、FP2級なら堂々と書けるメリットはあります。しかし、あまり就職、転職には役に立たないでしょう。
FP2級の合格率は5割程度になります。甘く見てると落ちます。勉強量は最低でも3級の4倍ぐらいは見ておいた方がよいです。
就職・転職なら日商簿記3級の方がおすすめです
簿記の勉強は納税時の青色申告書を書く上でも役に立ちます
FP1級を目指す意味は?
もし、FP1級を目指すとすれば、FP2級を使って、日本FP協会の実施する民間資格であるAFPに登録し、AFPの上位資格であるCFPを受験して取得、そしてFP1級受験という順番が想定できます。
しかし、そこに至るまでの金額的コスト、勉強時間を考えると、ファイナンシャルプランナーや、それに類する職業、司法書士、税理士、社労士、保険業、金融業、不動産業といった職種の人でない限り、FP1級取得に意味はないと考えます。
他の資格取得に注力するのが得策です。
仕事とは関係ない私的な領域では、FPは2級までで十分です
結論、自分のお金は、自分で管理できるようになろう
自身の資産管理を親や妻に任せてしまう人がいますが、私はおすすめしません。資産管理運用はあくまで自分で考え、調べて行わないと、資産管理能力は身に付きません。
他者に自分の資産管理を委託するのは、よほどのことがない限りやめたほうがよい。不測の事態が起こると取り返しがつかなくなります。
お金は人生の重要な一部です。FP3級の勉強が、自分の資産は自分で管理するという自立への一歩となることを願っています。
自分が自分自身のファイナンシャル・プランナーになるのです。
※ 敷島はコメントに飢えております。ささやかでもコメントよろしくお願いします<(_ _)>
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